依頼先の決め手
築50年以上の実家を二世帯住宅に建て替えました。祖父が林業関係の仕事をしていて、木の家に親しんでいたので木造住宅は絶対条件でした。住宅会社選びでは自社林を持ち国産材にこだわった木造住宅を手掛ける古河林業に魅かれました。しかし、古河林業に決めた一番の理由は、提案されたプランの秀逸さ。設計では二世帯の生活時間のズレや音の問題、そして傾斜地という立地条件をどのようにクリアするかがポイントでしたが、メゾネット風に左右に分離する二世帯プランと傾斜地を利用したスキップフロアの提案に心が躍りましたね。各世帯に内階段を設置しつつも、2階はドア1枚でつながっているので、交流もスムーズです。住むほどに愛着のわく我が家となっています。
完成した家の特徴
直線で構成されたシンプルなフォルムとシンメトリーなデザインが印象的な外観。レッドシダーの板張りがアクセントになっている。玄関前のアールの壁が奥行きを演出する。二世帯住宅であり、中央のエントランスは共用だが中に入ると左右に分離されたメゾネットスタイルになっている。2階では交流できる設計ともなっており、これからの新しい二世帯住宅の形として参考になるだろう。
東京都在住/Kさんのお住まい
《延床面積》206.95㎡(62.60坪)
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傾斜地ということで設計には工夫が必要だったが、それを逆に生かしてスキップフロアを提案。子世帯のダイニング・キッチンにつながる中2階のリビングは、空間の変化と家族のつながりを実現。床には温かい色合いのバーチを採用。
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カラマツの梁が印象的な子世帯のダイニング・キッチン。「毎日使うものですからキッチンにはこだわりました。子どもを見守りながら家事ができるのがいい」と奥様。毎週土曜日は場所を交替しながら二世帯一緒に食事を楽しんでいるそう。
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ミニマムな空間だが広がりを感じさせる子世帯のダイニング・キッチンと中2階リビング。「各人が好きな所にいても、顔が見えるし、会話が増えました」。中2階のスキップフロアの下はガレージとして使用されている。
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親世帯のリビングは日本建築の良さを最高に活かした空間。床材にはバーチを、壁にはヒバを使った温もり感に癒される。木枠の太さを統一した障子も施主様のこだわり。柔らかい光と相まって凛とした空間を演出している。
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ご両親が惚れ込んだ古河林業の木の家の真骨頂ともいえる和室。柱を見せる真壁工法を採用し、檜をはじめとする銘木を随所に施している。「プリントされた合板や集成材では、この格調高さは実現できません」とお父様。
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子世帯の子ども室は無垢の木の床で、素足の感触がお子さんたちのお気に入り。部屋は現時点では共用だが、成長すると2部屋に仕切れるようにあらかじめ配慮されており、2ドアになっている。